イラストで使用(トレース)した「月」の月景撮影の方法(……というか撮影するまでの道のり) レイメイ 卓上タイプ天体望遠鏡編
●ちょうど今から3年前……
ハロウィンのイラストに「月」を入れたくなり、天体望遠鏡もコンデジもあるので撮影しようと気軽に思い立ったのが始まり。
コンデジは「Panasonic DMC-FT1」、天体望遠鏡は「フレンド製(現在:ケンコー光学)のSKYDREAM GX5000」です。
あとはコンデジを接続できる望遠鏡アダプターがあれば撮影できると思い、すぐに購入して3つをつなげてセッティングしましたが思わぬところでつまづきました。
なんと望遠鏡の接眼レンズにカビ(?)が生えていて、しかもコンデジはマニュアル露出が出来ないのは分かっていましたが、なんと勝手にオートフォーカスする上にピントが合わないという嫌がらせ……(シャッター押す前はピントが合っている…なぜだ…)
仕方が無いので天体望遠鏡とカメラを新調することにしました。
(理由はSKYDREAM GX5000の接眼レンズがツァイスサイズ(24.5mm)で現在生産されてない物だったので……3年前の当時、色々ググったのですが現在出ているツァイスサイズ(24.5mm)をアメリカンサイズ(31.7mm)に変換できるアダプターが見つけられなかったのです……まぁ検索の仕方が下手だったのかもしれませんし知識も無かったのですが……という事を踏まえた上で以下に続きます)
予定外の出費となったので両方とも極力安く、かといって精密機器なので中古では買わないという線で「レイメイ 卓上タイプ天体望遠鏡(口径76mm 焦点距離300mm)」と「ソニー SONY ミラーレス一眼 α NEX-C3 ダブルレンズキット E 16mm F2.8+E 18-55mm F3.5-5.6 OSS付属 ホワイト」(型落ち品)を購入して再挑戦しました。(出費を5万円以下に押さえる事ができました)
●天体望遠鏡とカメラをつなげるには色々必要だった
星空撮影を紹介しているサイトやブログを調べてTリングなる物が必要なのはすぐ分かりましたが、では「Tリングと接眼レンズをつなげる方法は?」というと分からなかったので困りました。
まぁとにかく「Vixen 天体望遠鏡/フィールドスコープ/撮影用アクセサリー カメラアダプター Tリング ソニーE用(N)」は購入。
なにせ「SONY NEX シリーズ」を使って星空撮影をしている人が見つからず、他のメーカーのフルサイズ機などで撮影している人が大半で「フルサイズ機のやり方を参考にしてミラーレスAPS-C機に応用しても大丈夫なのか?焦点距離とか、そもそも像をむすぶ距離が違うのでは?」と、なり機材集めがほとんど一か八かでの購入でした。
Tリングの次に買ったのが「Vixen 2倍バローレンズ31.7T」です。とにかく「Tリングとスリーブをつなげてみなくては」という理由からです。
このバローレンズはTリング用のネジが切ってあったので「間違いなく接続できる!」と踏んで購入しました。しかし……
ピンぼけです。「あと少し挿入されればピントが合うのに!」という感じでした……
次に購入したのが「ANQILAFUの天体望遠鏡撮影アダプター Tアダプター DSLRアダプター 設置サイズ31.6mm」です。
形もバローレンズより短く、しかもTリング用のネジが切ってあったのでこれも間違いなくつながります……たぶん……
しかも少々気になったのが…こちらはレンズの無いただの筒……どうだろうか?
「うん……全然ピントが合わないな……」
しばらくレンズアダプターを眺めて
「内側にネジ溝切ってあるしな……もしかして2倍バローレンズのレンズ部分だけ外して付けられるんじゃね?」
と2倍バローレンズを分解してみた事を思い出し、早速、ANQILAFU 天体望遠鏡撮影アダプター Tアダプター に取り付けてみたら見事にピントがあった!

この構成だと画像のトリミング無しで月はこの大きさで撮影されます。マニュアル露出:望遠鏡依存でf値3.9 シャッタースピード:1/250 ISO:800 WB:オート
「ですよねー2倍バローレンズでピント合うまでもう少しだったんだから2倍のレンズはないとねー」
と独りでツッコミを入れてました。
だがしかし……写された「月」の大きさが小さい、もっと画面いっぱいに大きく写せないものか?
●Vixenの拡大撮影カメラアダプターを購入
「Vixen 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー 拡大撮影カメラアダプター」を購入をするにあたり相当悩みました。
ちゃんとピントが合うか核心が持てないにもかかわらず、金額が高い!なんでこんな単純な構造の商品に9,000円近い値段がついているのか不思議でなりませんでした。
これでピントが合わなかったらと思うともう……もう……もう……クリックしました。(笑)
下の写真の構成に到達するまで持ってる機材全てを使ってあらゆる組み合わせを試しました。それはもう付けたり外したり組み替えたり、入れたり入れなかったりと。
(今回はその行程を割愛します。再現するのが面倒&説明すると異常に長くなるからです。)
ピントがあった構成は「Vixen 天体望遠鏡用アクセサリー 補正レンズ 2倍バローレンズ31.7T」に望遠鏡に付属していた20mmの接眼レンズを入れ「Vixen 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー カメラアダプター 拡大撮影カメラアダプター」の長い筒を1個抜いた構成で接続してから「Vixen 天体望遠鏡/フィールドスコープ/撮影用アクセサリー カメラアダプター Tリング ソニーE用」と接続しカメラに装着します。
注意するところとして2倍バローレンズに20mmの接眼レンズを固定するのにバローレンズに付いている固定ネジだとネジの頭が邪魔になって中に入らないのでホームセンターなどで同じ径で頭の薄いプラスネジ(超低頭小ネジ 太さM3[3mm]、長さ8mm)を買って代わりに使用しました。
いちいちドライバーで締めなきゃならないのが面倒ですが、これを見つける前はマスキングテープで固定していたのでそれよりは安全で簡単だとおもいます。
●なんというか……アクロバティックな構成(姿)
プロのカメラマン、趣味でカメラをやってる人、星空撮影をやってる人たちから「頭おかしい……」というツッコミを受けそうです。もはやギャグでやってるようにしか見えません……
見て分かる通りバランスが微妙なラインで保たれてます。いや、むしろ気を抜くとカメラの付いている方向に望遠鏡ごと倒れてきます。(笑)
なので望遠鏡の台座部分に1.5Kgのバーベルプレートが1枚乗っています。(笑)

画像のトリミング無しで月はこの大きさで撮影されます。(予定通り画面いっぱいです) マニュアル露出:望遠鏡依存でf値3.9 シャッタースピード:1/250 ISO:640 WB:オート (接眼レンズ用フィルターのムーングラスは持っていますがシャッタースピードを稼ぐためにあえて使用してません。) (初期の頃に撮影したものはシャッタースピードが遅かったせいで微妙にぶれてました。なのでα6000で改めて撮影したものを掲載しています。撮影方法はNEX C3とα6000は全く同じです。)
だが、これが完成形。もう他に思いつけませんでした。
たぶんこの世の中にはもっと良いやり方があって、ミラーレスAPS-C機に天体望遠鏡を付ける正解の方法が必ずあるのだと思います。
ただ、上の「月景写真」を見て言えることは
「デカい口径の望遠鏡じゃないと月の表情(クレーターなどの地形)が細かく写せないな……」
ということです。
とりあえずSONYのミラーレスAPS-C eマウント機で望遠鏡の接続に悩まれている方の参考になれば幸いです。
あと卓上天体望遠鏡でこの方法をまねする時は自己責任でお願いします。
この方法は普通のサイズ以上の天体望遠鏡としっかりした重い三脚を使用するやり方になると思います。
あぁ、口径200mmのドブソニアンが欲しいなぁ……
余談ですが…………
Amazonにて「レイメイ 卓上タイプ天体望遠鏡」と「Vixen 2倍バローレンズ31.7T」と「Vixen 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー 拡大撮影カメラアダプター」と「Vixen 天体望遠鏡/フィールドスコープ/撮影用アクセサリー カメラアダプター Tリング ソニーE用(N)」のレビューをそれぞれ書きました。その中ではNEX C3でなく現在メインで使用しているα6000を装着した仕様で説明しています。